イベントストーミング

品質の高いモデルを生み出すことを目的としたビジネスプロセスの発見と設計のための迅速かつインタラクティブなアプローチ
Contributed by

Matt Takane

Tim Beattie

Edited by
Published April 20, 2017
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概要

イベントストーミングは品質の高いモデルを生み出すことを目的としたビジネスプロセスの発見と設計のための迅速かつインタラクティブなアプローチです。Alberto Brandoliniさんのブログで2013年に紹介されました。イベントストーミングの結果として:

  • プロジェクトの一環として開発するビジネスプロセスへの共通理解を持つことができます。

    • どのステップがスコープ内で、どのステップがスコープ外か

    • プロセスに関与するユーザーが誰か

    • プロセスのためにまずはどのようなUIが必要か

    • まずはどのような集約が必要か

  • それらが物理的なダイアグラムに表現されたもの (デジタル形式で共有することも可能)

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メリット

  • 伝統的なプロセスモデリング技法と比較して、イベントストーミングは非常に速く、楽しく実施することができます。短時間でどれだけのことができるか驚くこともあります。

  • ビジネスとITとで共通言語を確立することができます。

  • スコープと境界線に集中することができます。

  • この技法はイテレーティブなアプローチを取ります。このことによりファシリテーターは:

    • 参加車を圧倒しないよう、セッションごとに段階的に詳細化していくことができます。

    • セッションごとに必要な参加者に参加してもらうことができます

    • 参加者は疲れるので、必要な休憩を挟むことができます

  • アイディエーションプロセスの早い段階で顧客体験における重要な質問をする機会を得られます

  • 技術的な実装の詳細をビジネスプロセスの文脈の中に位置付けることにより、ソリューションの概要を把握することができます

  • 特にドメイン駆動設計を開始しようとする場合に有効です

実施方法

  • ビジネスチームがユーザー視点でビジネスプロセスを表現します

  • ユーザーがゴールに無事到達する成功シナリオから開始することがコツです。例えば学生が映画のチケットをオンラインで購入できる部分など

  • ビジネスフローが成功するためにどのようなデータが必要であるか特定します。例えば映画のタイトル、上映時刻、学生割引料金など

  • ビジネスプロセスが整理された段階で、ITチームが参加し、イベントやデータ、ユーザーインターフェースの観点で情報を補います。この方法でシステムに必要なものの共通理解が生まれます

  • 開発すべきマイクロサービスを定義するため、アーキテクトが共通のオブジェクトをグループ化を開始します

    ファシリテーション資材

    • 壁に貼る大きな紙。壁に直接貼る場合、付箋がはがれやすいため

    • 大きなサイズの付箋 (4 x 6など) 2色

    • 小さな正方形のサイズの付箋 (3 x 3など) 4色

    • 付箋用のペン

    • 消すことができる筆記用具。ホワイトボードならホワイトボード用のペン、紙を使うのであれば鉛筆など。線や矢印、注意書きなどを書き留めるために便利。

    リモートセッション用のTips

    • 異なる領域のエキスパートを代表する適切なメンバーの参加者の招集はリモートの場合でも必要です。しかしながらリモートセッションの場合、参加者の人数に注意する必要があります。人数が多すぎる場合はメンバー間の会話がしにくくなるため、積極的な参加が見込めなくなります

    • イベントストーミングは対象のシナリオの複雑度により時間がかかります。複数のリモートセッションを設けて間に休憩をとるように計画し、参加者にも進め方をあらかじめ説明しておきます

    • 参加者がイベントストーミングを実施したことがない場合、イベントストーミングの参考情報と、過去の実施例などを用いて説明します。可能であれば冒頭にイベントストーミングの簡単な説明を実施ます

    • イベントストーミングを実施するスペースとしてオンラインコラボレーションボードを用意します。イベントストーミングの実施例などを貼り付け、参加者が何をすべきかわかるようにしておきます

    • イベントストーミングセッション前にシナリオに対する十分な知見がある場合、あらかじめ骨子の部分を作っておくことで、時間の節約ができます。イベントストーミングのプラクティスに馴染みのない参加者がいた場合でもこの方法であれば既に実施済みの部分を参考にしながら参加することができます。開始時には既に出来上がったものはスタートポイントであり、イベントストーミングセッション中はどこでもどのようにでも変更ができることを説明しておきます。

    • 可能であればカメラをオンにしてもらうように促します。参加者間のコミュニケーションを活性化し、よりセッションに集中してもらうことができます。情報や質問をなるべく引き出すため、参加者の積極的な参加は重要です。

    • ファシリテーターはオープン質問を投げかけ、必要に応じて場が静かにすることによっても参加者の参加を促すことができます

    • ファシリテーターは全ての参加者が議論に参加するように注意を払う必要があります。リモートセッションでは別のことに注意を向けたり、発言をしないオブザーバーモードになったりしがちです。そうならないためにファシリテーターは積極的に参加を促す必要があります

    • 全ての参加者がボードに直接書き込んでイベントストーミングに参加することが理想です。ただしイベントストーミングを実施したことのない参加者には、リモートで参加をしにくいと感じるでしょう。この場合は最初はファシリテーターの間だけで実施し、参加者が異ベントストーミングに慣れてもらう時間を設けることが効果的な場合があります

    • イベントストーミングを定期的に見直します。リモートの場合はオフラインのセッションよりも頻繁に見直しを促す日強9雨があるかもしれません。全員の共通理解を確立し、必要に応じて情報を追加してもらうためです

    • 大きなイベントストーミングイベントの場合、必要に応じて別の場所のイベントストーミングを実施するために小グループに分けて実施することが必要な場合があります。定期的に全体に進捗を報告してもらう、グループや作業分野をローテーションするなどの工夫も実施します

    リモートで実施する際のツールが必要な場合、このようなツールがあります 💻🙏

実施例

参考

イベントストーミング をチームや顧客、ステークホルダーと実施するにあたりより詳細にお知りになりたい場合は、以下のリンクを参照してください。


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