Jacob See
実例マッピング(Example Mapping)は、ユーザーストーリーの受入基準を詳細化し、明確にするための手法です。これは、ストーリーを概念のまま抽象的に扱うよりも、具体的なケースを複数例示した方が意図や情報をより良く伝えられるという考えに基づいています。
実例マッピングは、ビジネスルールや事例シナリオを説明できる適切な人(例えばプロダクトオーナー)と、それらのルールに関する適切な質問ができる技術チーム(開発者)が話し合い、ストーリーを詳細化・明確化する際に使います。実例マッピングは、チームがストーリーを正しく理解しているかを確認するために使われる他、受入基準づくりにステークホルダーを巻き込むことにも使われます。また、ビジネスルールの具体的な例を議論することで、誤解や検討漏れを明らかにすることができます。
実例マッピングでは4色の付箋を使います。
まず議論するストーリーを1つ選び、ストーリーを黄色の付箋に書き出し、これから実例マップを作る場所(壁面やオンラインホワイトボード)の一番上にストーリーの付箋を貼ります。次に、ストーリーの下に青い付箋で書いたビジネスルールを水平に貼ります。青のビジネスルールの下に、緑の付箋で書いたビジネスルールの具体例(実例)を縦に並べます。緑の実例の書き方は「〇〇の状況では〇〇となる」といった感じの砕けた文体やGherkin記法(受入テスト自動化のための記法の1つ)で書くことができ、決まった書式はありません。(実施例セクションのYouTube動画(英語)が参考になるでしょう。)
実例やビジネスルールに関する誤解や不明点が生じた場合はメンバーで議論してこれを解消しますが、解消できない場合はそれを赤の付箋に書き、後で適切な人(ステークホルダ)に確認します。
議論を重ね、ストーリーが求める仕様について全員が十分に理解できるだけの実例が揃うと、それらは自動テストと受入基準として書き直すことができるはずです。
実例マッピング をチームや顧客、ステークホルダーと実施するにあたりより詳細にお知りになりたい場合は、以下のリンクを参照してください。