Will McKinley
ROAM ボードはシンプルな可視化のためのツールです。プロジェクトやプログラムのリスクを4つのカテゴリに分類します:
Resolved (解決済み) リスクはこのエクササイズのゴールであるが、これが唯一のカテゴリではありません。
Accepted (受け入れ) リスクはプロジェクトやリソースの現状では取り組むことが難しいものを分類するカテゴリです。あるいは利用している特定のプロダクトが将来アップグレードなどで解決するが、現在では技術的な弱点となっているものなども含まれます。
Mitigated (軽減) リスクはアクションを取ることで影響を縮小できるものを分類するカテゴリです。注意点としては、すでにアクションをとっているものを分類するカテゴリであることです。
Owned (担当割り当て) リスクは誰かがこのリスクに責任を負った状態にした場合に使用するカテゴリです。ROAMボードの実施結果 セクションで詳しく説明します。
プロジェクト開始時、我々は全てがうまくいくわけではないことをよく知っています。そのためプログラムやプロジェクトの中で使用するリスク管理の方法やプロセスが必要になります。例えばステータスミーティング、バグレポート、何らかのトラッキングページなどです。しかしこれらは全てのステークホルダーが集まって協力の上でリスクを管理する方法ではありません。
ROAM ボードはプログラムやプロジェクトを通じて全てのステークホルダーの協力のもと利用するものです。解決や軽減以外の方法で問題を解決する創造的な考え方を促すものであり、またプログラムやプロジェクトの成功を阻害する大きな問題に対する共同責任の考え方を醸成するものです。
プロジェクトキックオフの際に最後のアクティビティとして使用します。計画を作成後、計画全体を調整するために使用します。
ツール
ホワイトボード、付箋、ペンやマーカーとタイマーを用意します。
ステップ1: Brainwriting
所要時間: 5-7分
まず5分程度、計画に対して何かリスクがあるか、各自で考えて付箋に書き留めてもらうようにします。この時どんな小さなものでも書き留めてもらうようにしてください。時間が来たらホワイトボードに持ち寄ります。
ステップ2: 読み上げ
ファシリテーターは付箋を読み上げ、書いた人に説明を依頼します。問題解決にまで踏み込むディスカッションになる可能性があるので、時間管理は重要です。問題を解決したいわけではなく、ここでは付箋に書いた内容の詳細を把握する目的であることは説明してください。チームのフィードバックをもとに関連する付箋を近くに置く、統合する、重複を削除するなどで情報を整理します。
ステップ3: 分類
カードごとあるいは親和性の高いカード群ごとにどのカテゴリに分類するかをチームで決めます。プロジェクトの対処の段階では Resolved カテゴリには何もないはずです。
Owned に分類するためにはこの課題のオーナーが必要ですが、誰がオーナーになるかは議論が必要です。オーナーと指定された人は問題を自分で解決する必要はありません。議論が進んでいること、進捗を管理していることがオーナーに求めるものです。またチームがオーナーがすべきことを認識している必要があります。誰も進捗を把握しなくなる事態を避けるため、オーナーは一人であることが望ましいです。
Accepted および Mitigated については、リスクを受け入れると決定した理由や軽減策を同時に記録します。決定内容については広く周知できるよう、プロジェクトボードやWebサイトに掲載します。
ステップ4: 計画の見直し
リスクを考慮した場合、チームは計画を見直したくなることがあると思います。例えば調査の時間を確保したり、 Accepted カテゴリにあるものに関連するワークアイテムを除外したり、あるいはスケジュールを後ろにずらしたりなどが考えられます。 チームは週次あるいは2週に一度などの定期的なタイミングで進捗を管理したり見直したりする必要があります。例えばスプリントプランニングやバックログリファインメント、あるいはチームが大きい場合はScrum of Scrumなどで実施します。