チームの規範

建設的で楽しいチーム文化を築く
Contributed by

Matt Takane

Tim Beattie

Edited by
Published November 21, 2017
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概要

Social Contract(直訳すると「社会的契約」、意訳で「チームの規範」、「チームでの約束事」)は、 チームの自律と自己責任を促進するシンプルながら非常に効果的な手法です。 この規範は、チームによって、チームのために作られ、チームの行動と期待に規律を与えます。 またこれは、チームが取ろうとしている行動を管理職やステークホルダに発信する手段でもあります。

以下の成果を目標に置くことで、このプラクティスをより効果的に活用することができます。

  • 「チームでの規範」を誰でも見える場所に掲示しましょう。

  • この規範はチームで合意したものです。誰かが勝手に変更することを許してはなりません。

  • チームメンバーが互いに契約に従うことを合意しましょう。規範に自筆で署名することで、約束を守る雰囲気を醸成することができます。

  • 規範の内容を頻繁に確認し、必要に応じて更新しましょう。

メリット

  • チームの期待値を明確に判断する迅速な手段です。

  • チームの行動の自律性と自己管理を推進します。

  • チームがどのように協働するかを明示する。

  • チームでのこの先の活動と話し合いのために、共感と文脈の下地を作ります。

実施方法

Social Contractの実践に必要なもの

  • 付箋を貼り付けるための壁
  • ホワイトボードマーカー
  • 付箋(様々な大きさや色があるとよい)
  • 大きなポスター用紙

ポスター用紙を壁に貼り付け、タイトルとして「チームの規範」(またはSocial Contract)と書いておきましょう。

チームにこれからやることを説明します。

  • チームで醸成したい文化の定義
  • ガイドラインの設定
  • このガイドラインに対して互いに責任を持たせること

チーム自身が望む働き方についてオープンな質問を行います(訳注:はい/いいえで答えさせる質問ではなく、フリーフォーマットで答えさせる質問。どうしたいですか?など)。回答にチームの皆が同意したら、その回答を付箋に書いてポスター用紙に貼ります。合意が得られない場合は、付箋を捨てるか、後で議論するためにParking Lot(アイデアの駐車場)に置きます。

最後に、チームにお願いして規範に署名をしてもらい、見えやすい場所に掲示します。これが効力をもつ有効な文書であり、チームが後でこれを見直し、修正し、全員が変更に同意したことを示すために署名を更新することができます。

チームが前進すると時として意見の不一致が生じます。そんなときにはこの規範を参照するように勧めましょう。

規範のサンプル

前向きで、自主性を重んじ、尊重を促す規範にチームを導くように努めてください。どんなチーム文化を築きたいですか?

  • オープンで、ポジティブで、非難のない、建設的なチーム
  • 楽しい!
  • 魔法も、魔術も、忍者もなし - 共有理解を培う
  • 成功を祝う
  • コアタイムは何時から何時までにしますか?10時から15時?
  • 時計を見て出勤/退勤するマインドセットを奨励することは良いアイデアではありません。チームが集まって会議を開くことができる一方で、人々が自分にとって意味のある時間に働く自由を与えましょう。
  • ペアプログラミングやモブプログラミングについてのあなたの考えは?学びを得るためにやるのでしょうか、効率的な構築のためでしょうか?学んだことを共有するためでしょうか?
  • 個々の働き方を尊重する
  • ミーティングでのラップトップPCやスマートフォンの扱いはどうすべきですか?パソコンは閉じて、携帯も触らない?他の作業をする場合は退出すべき?
  • タスク管理の方法は?Jira?紙の付箋?うまく管理することで重要なことを見逃したり、作業を重複させたりするのを防ぐことができます。
  • 創造的な混乱を受け入れよう!

ダメな例

対立を助長したり、上から命令を下すような行動を奨励するチームの規範を作らないようにしてください。以下に、規範の良くない例を挙げます。

  • コアタイムは9時から19時です。(デスクにいる時間が長ければ長いほど、より多くの仕事ができるという考え方)
  • 複数のプロジェクトを同時にこなすことで生産性を向上させます。
  • プロダクトが壊れたときには、誰かを責めることで責任を明確にします。
  • 本番環境へのデプロイでトラブルを起こすと我々が怒られてしまいます(上記項目に記載の通り)。恐ろしい!デプロイの回数・頻度はなるべく少なくしましょう。
  • 何かを学んだときには、自分がどれほどのニンジャ、ロックスター、魔法使い、ユニコーン(すごい能力を持った人や動物の喩え)であるかを皆に誇示するために、それを自分だけのもの成果にしておきましょう。

リモートワークで気をつけること

  1. リモートワークに適したチームの規範を考えましょう。参加者の意見に基づいて追加や変更を行います。
  2. 各自、自分の名前が書かれた付箋で署名します。
  3. チームの規範にリモートワーキングの要素を追加します(入室時はミュートにする、ビデオをオンにするなど)。
  4. チーム横断で適用するコミュニケーションの規範と、個々のチームでカスタマイズしたルールを確立します(応答時間、ライティングスタイル、トーンなど)。
  5. 以下のような例を用います:
  • 1度に進めるのは1つの話題のみとする。
  • 前向きな意図を仮定する(訳注:おそらく、リモートワークの場合、相手の表情やしぐさなどのノンバーバルなコミュニケーション要素が読み取りづらいため、不確かな部分はまずはポジティブに解釈しようという意味)。
  • 他人の貢献を勝手に削除・移動しない。
  • 自分たちの目標に集中し、反復的に作業をすすめる。
  • 休憩を尊重する
  • 他の人の邪魔をしない(メール、チャットなど)
  • 必要に応じて規範を更新する。
  • 上記に同意し、名前と場所を署名する。

実施例

参考

チームの規範 をチームや顧客、ステークホルダーと実施するにあたりより詳細にお知りになりたい場合は、以下のリンクを参照してください。


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