Ilaria Doria
Jonathan Johnston
これは顧客や関係者について理解を深めるためのプラクティスです。ステークホルダ(スクラムチームメンバーに属さないプロダクト関係者や顧客)のマッピングを行い、色々なチームや人々とのコミュニケーション方法に合意を図ります。ステークホルダマップとコミュニケーションプランの整備がこのプラクティスの目標成果です。
ステークホルダマップは、新しい顧客との関係を構築し始める際や、プリセールスの段階、またはプロジェクトのデリバリを開始する際に役立ちます。
プロジェクトが小さく短期間かつデリバリー中の場合、顧客の情報はアカウントチームから収集するだけで十分でしょう。 中規模から大規模なプロジェクトでは、ステークホルダ全体を把握し、彼らと対話し、満足度を保ち、進捗状況や成果について共有することが重要です。
顧客との関係を構築し始める際やプロジェクト開始時に、なぜその機能が必要とされているのかを考えてみてください。 ステークホルダマップに基づいて、プロダクトの目標や指標、課題について対話するのに最も適した人物を探し出し、これらについて話し合うことが可能になります。
準備:
顧客接点の担当者を巻き込み、マッピングプロセスに参加するべき人物を特定します。これには、取り組みについての総合的な認識を持つキーメンバーが必要です。彼らには1時間程度(取組や組織の規模に応じて異なる)のセッションに出席してもらいます。
ホワイトボード、付箋、ペン、または電子キャンバスを用意してセッションを主催します。
「ステークホルダマップ」というタイトルとキー(下記の図解にあるグラフを例として)がある空のボードを作成します。
Round 1:
各自でステークホルダのグループや個人のリストを作成し、1つのグループ/個人ごとに付箋に書きます。
次のような人々やグループを考慮してください:
- プロダクトの影響を受ける人
- プロダクトを支援してくれる人
- 関与が遅れるとプロジェクトの遅延を招く可能性がある人
- 決定権限を持つ人
- 新しいプロセス/ツールが導入された際の運用に携わる人
- 過去に類似したプロジェクトに関与したことがある人
Round 2:
参加者がステークホルダを書いた付箋を1箇所に取りまとめ、グループ化と重複の削除を行います。
グループ化を協議し、ステークホルダの定義について合意を得ます。大半がバイネームで特定される具体的な人である場合はチームでの合意が重要になります。
Round 3:
プロダクトやプロジェクトに対する権限と興味または意向に基づいてグループを分類して四象限のマップを作成します。
付箋のグループをマップ上にコピーします。
ステークホルダグループの四象限マップの象限毎に、関与とコミュニケーションの戦略を立案します。誰が情報提供や相談を受けるべきか、誰がステークホルダと関与する責任があるか、そして頻度はどの程度かを考えていきます。
マップ作成後のフォローアップ:
- マップを描いたポスターやホワイトボードを見やすい場所に掲載する。または、
- 関係者に配布する。
マップの規模が大きい場合、ステークホルダの分析結果を共有し、現状認識と実際とのギャップを埋めるために関係者からフィードバックを得ることをおすすめします。
特定されたすべてのイベントをカレンダーに記載し、これを実施するための会議案内を送ります。
レトロスペクティブで定期的に振り返りを行い、コミュニケーションプランやステークホルダーの関与レベルが機能しているか、更新が必要かどうかを確認します。
役割が変わる人々を把握し、必要に応じてコミュニケーションやミーティングを設定し直します。
プロジェクト期間中に組織変更等によりステークホルダが入れ替わる場合は、新しいステークホルダーに着任の手引きをしてあげて下さい。以下を共有します。
- 目標成果と優先事項
- 仕事の進め方
- コミュニケーションプラン
このプラクティスは全員がアクセスできるオンラインホワイトボード上で実施することができます。
最終結果がどのようなものになるのかサンプルを準備しておくと良いです。
最初から皆が同じ方向に向かって作業できるようにするために、四象限の軸にきちんとした説明を付けましょう(参照:下図のグラフ)。
議論を上手く進めるのは少しむずかしいです。うまく議論の流れを作るために、下記のような質問を用意しておきましょう。
- この人は誰の意見を聞きますか?
- 人物Xさんの行動/思考の同機は何でしょうか?
ステークホルダマップ をチームや顧客、ステークホルダーと実施するにあたりより詳細にお知りになりたい場合は、以下のリンクを参照してください。