Alexis Monville
原則マトリックスは、チームメンバーがマネジメントの現状をどのように理解しているかを測るためのふりかえりのツールです。 以下訳注:Demingが作成した下記14項目のマネジメント原則がチームにどう思われているかを測るツールです。
競争力を保つため、製品やサービスの向上を常に心がける環境を作る。最高経営者がその責任者を決める。
新しい哲学を採用する。我々は新たな経済時代にいる。遅延、間違い、材料の欠陥、作業の欠陥などの一般常識となっている水準には満足できない。
全品検査への依存を止める。品質は統計的手法で向上させる(完成後に欠陥を見つけるのではなく、欠陥を防止せよ)。
価格だけに基づいて業者を選定することを止める。価格と品質によって選定する。統計的手法に基づく品質保証のできない業者は排除していく。
問題を見逃さない。全体(設計、受け入れ材料、製造、保守、改良、トレーニング、監視、再教育)を継続的に向上させるのがマネジメントの役割である。
職場教育(OJTなど)の手法を導入し、義務付ける。
職場のリーダーは単に数値ではなく品質で評価せよ。それによって自動的に生産性も向上する。マネジメントは、職場のリーダーから様々な障害(固有の欠陥、保守不足の機械、貧弱なツール、あいまいな作業定義など)について報告を受けたら、迅速に対応できるよう準備しておかなければならない。
社員全員が会社のために効果的に作業できるよう、不安を取り除く。
部門間の障壁を取り除く。研究、設計、販売、製造の各部門の人々は様々な問題に一丸となって対応しなければならない。
数値目標を排除する。新たな手法も提供せずに生産性の向上だけをノルマとしない。
数値割り当てを規定する作業標準を作業者やマネジメントから排除する。
時間給作業員から技量のプライドを奪わない。とりわけ年次・長所によって評価することや目標による管理は廃止する。
強健な教育プログラムを実施する。
全員で変革に取り組む。最高経営陣の中で、上記13ポイントを徹底させる構造を構築する。
マネジメントの原則についてふりかえることで、チームはマネジメントの現状に対する自分たちの考えを共有でき、 組織がどのような状態にあるかの見解を共有し、改善すべき領域を特定することができるようになります。
空白の紙かホワイトボードを用意しましょう。
2x2の4象限のマトリックスを描きます。
横軸は、原則に対するあなたの同意度を表します。右側は同意、左側は不同意です。
縦軸は、その原則が自分の組織にどの程度適用されているかを表します。上部が「適用されている」、下部が「適用されていない」です。
Demingの14のマネジメント原則の1つ1つを番号として2x2のマトリックス上に配置します。メンバー毎に異なる色のペンを使用しましょう。
各原則を配置した後、ファシリテーターは外れ値となっている人たちに、自分たちの位置づけの理由を説明するようお願いしましょう。
ファシリテーターは、この活動がチームに何かアイデアをもたらしているかどうかを問いかけましょう。
このツールは、自分自身のふりかえりツールとしても使うことができます。 ファシリテーターとしては、自分自身で最初にこのエクササイズを試し、どの原則がチームと最も馴染むかを把握しておくと役立ちます。
原則マトリックス をチームや顧客、ステークホルダーと実施するにあたりより詳細にお知りになりたい場合は、以下のリンクを参照してください。